スポーツフォトグラファーのカバンの中身|世界大会でα1 IIとFE 50-150mm F2 GMが選ばれた理由
スポーツフォトグラファーのカバンの中身|世界大会でα1 IIとFE 50-150mm F2 GMが選ばれた理由

こんにちは、よしおくんです。
世界トップクラスの選手が集まる陸上競技大会を撮影するスポーツフォトグラファーのカバンの中身。
ちょっと気になりませんか?
2026年9月16日、ソニー公式の広報noteで「スポーツフォトグラファーのカバンの中身 ~WAアルティメット選手権大会の舞台裏から~」が公開されました。
舞台となったのは、9月11日から13日までハンガリー・ブダペストで開催された「第1回 WAアルティメット選手権大会」です。
今回、カバンの中身を公開したのは、スポーツフォトグラファーのJon Super(ジョン・スーパー)さんとBenj Gilbert(ベンジー・ギルバート)さん。
二人の機材を見て、個人的に興味深かったのが共通して選ばれていた3製品です。
- α1 II
- FE 50-150mm F2 GM
- PDT-FP1
単純に「プロが使っている機材」というだけではありません。
撮る、瞬間を逃さない、そして撮影データをすぐ世界へ届ける。
世界大会ならではの撮影ワークフローが、カバンの中身から見えてきました。
今回は、ソニーショップの視点から注目したポイントをご紹介します。
世界大会を撮るスポーツフォトグラファーのカバンの中身

まずは、二人がどのような機材を持ち込んでいたのか確認してみましょう。
Jon Superさんの機材
Jon Superさんは、スポーツだけでなく報道やポートレートまで撮影する英国在住のベテランフォトグラファーです。
今回の機材構成はこちら。
- α1 II ×5台
- FE 400mm F2.8 GM OSS
- FE 300mm F2.8 GM OSS
- FE 50-150mm F2 GM
- FE 24-70mm F2.8 GM II
- FE 12-24mm F2.8 GM
- FE 50mm F1.2 GM
- 1.4X テレコンバーター「SEL14TC」
- PDT-FP1
α1 IIを5台。
ここだけでも世界大会の撮影規模が伝わってきます。
さらに、400mmや300mmの大口径望遠レンズから12-24mmの超広角まで、かなり幅広い焦点距離が用意されています。
Benj Gilbertさんの機材
一方、Benj Gilbertさんはロンドンを拠点に活動する若手スポーツフォトグラファー/エディターです。
Getty Images Young Photographer of the Year 2025も受賞しています。
今回の主な機材はこちら。
- α1 II
- FE 300mm F2.8 GM OSS
- FE 50-150mm F2 GM
- FE 24-70mm F2.8 GM II
- FE 28-70mm F2 GM
- PDT-FP1
Benjさんはフィニッシュライン周辺を中心に撮影。
遠くを走る選手から、ゴール直後に目の前で見せる表情まで対応できる構成になっています。
二人のプロが共通して選んだ3つの機材

ここが今回、私が一番面白いと感じたところです。
機材構成は違っていても、二人には共通する3製品がありました。
α1 II、FE 50-150mm F2 GM、そしてPDT-FP1です。
つまり、世界大会の現場では、
カメラ
↓
レンズ
↓
データ伝送
までがひとつの撮影システムとして考えられていることが分かります。
FE 50-150mm F2 GMが選ばれた理由が面白い

なかでも注目したいのが「FE 50-150mm F2 GM」です。
二人のフォトグラファーが共通して挙げていたのが、WAアルティメット選手権大会ならではの競技進行の速さでした。
今回の大会では予選がなく、準決勝から決勝までが短期間に凝縮されています。
そのため、次々と決定的な瞬間がやってきます。
撮影を止めて、ゆっくりレンズを交換している時間がありません。
そこで50mmから150mmをF2通しでカバーできるFE 50-150mm F2 GMが活躍します。
遠くから近づいてくる選手を追い、そのままフィニッシュ。
さらに、ゴール直後の喜びや悔しさの表情まで1本で追えるわけです。
F2の明るさも夜間撮影では大きな武器
WAアルティメット選手権大会は、競技が夜に行われました。
そのため、シャッタースピードを確保しながら撮影するうえでもF2の明るさが生きてきます。
さらに、背景を大きくぼかし、照明を浴びた選手を浮かび上がらせる表現にもつながります。
ソニー公式によると、FE 50-150mm F2 GMはズーム全域で開放F2を実現。
質量は約1,340g(三脚座別)で、スポーツなどプロフェッショナルな撮影シーンでの取り回しも意識されています。
発売時から特徴的なレンズだと思っていました。
しかし、こうした実際のプロスポーツの現場を見ると、
「複数の単焦点レンズを交換せず、1本で撮り続けられる」
というメリットが一気に分かりやすくなります。
夜の高速撮影を支えたα1 II

そして、ボディは二人とも「α1 II」を選択しています。
陸上競技では動きを止めるため、通常1/1600秒から1/3200秒ほどの高速シャッターを使用するとのこと。
一方、流し撮りでは1/15秒程度まで落とす場合もあるそうです。
つまり同じ陸上競技でも、撮りたい表現によってカメラに求められる条件が大きく変わります。
しかも今回は夜間開催です。
暗い環境で高速に動く選手を追い続ける。
撮り直しのできない世界大会だけに、性能だけでなく機材への信頼性が重要になってきます。
Benjさんがα1 IIについて「信頼」という言葉を使っているところも印象的でした。
撮った後までがスポーツ撮影|PDT-FP1も共通装備

そして、もうひとつ見逃せないのが「PDT-FP1」です。
PDT-FP1は5G通信に対応したポータブルデータトランスミッター。
カメラとケーブルで接続すると、撮影データを事前に指定したサーバーへ自動でアップロードできます。
今回、二人はブダペストで撮影したデータを、英国で待機するエディターへリアルタイムで送っていました。
しかも、送られるのはJPEGだけではありません。
照明条件が変化する会場ではRawデータの編集自由度も重要となり、時には100MBを超えるRawファイルも5G回線を使って送信しているとのことです。
ここは、一般的な撮影とは大きく違うところですね。
世界大会では、
撮影する
↓
データを送る
↓
エディターが確認・編集する
↓
必要なら撮影者へフィードバックする
という流れが、競技中にも動き続けています。
つまりPDT-FP1は、単なる通信機器ではありません。
撮影ワークフローそのものを支える機材になっています。
FE 12-24mm F2.8 GMの使い方にも驚いた

Jonさんのカバンに入っていた「FE 12-24mm F2.8 GM」の使い方も興味深いものでした。
超広角レンズというと、風景や建築などを思い浮かべます。
しかし今回は、ハンマー投げのケージ内にカメラを設置。
フォトグラファーが入れない場所から、リモートでシャッターを切るために使われています。
地面すれすれの位置から、選手の手を離れて夜空へ飛び出すハンマーを狙う構図です。
レンズを焦点距離だけで選ぶのではなく、
「どこにカメラを置けば、今までにない写真になるのか」
から逆算しているわけです。
これもプロの機材選びとして、とても参考になります。
FE 50mm F1.2 GMは選手の「感情」を撮るため

さらに意外だったのが「FE 50mm F1.2 GM」です。
スポーツ撮影と聞くと、どうしても望遠レンズをイメージします。
しかしJonさんは、浅い被写界深度を生かして選手の一瞬の表情を撮影するために50mm F1.2を用意しています。
競技中の速さや身体能力を撮るだけではありません。
スタート前の緊張。
フィニッシュ後の喜び。
そして、思うような結果を出せなかったときの表情。
スポーツには、そうした一瞬の感情があります。
そのストーリーを残すための50mm F1.2と考えると、カバンに入っている理由が見えてきます。
カメラ以外にも雨具やタオルが必需品
もちろん、カバンの中身はカメラやレンズだけではありません。
大会初日は雨。
3時間以上にわたり、地面へ座ったり膝をついたりしながら撮影するため、
- レインウェア
- レインブーツ
- タオル
- PDT-FP1を身につけるためのポーチ
なども用意されていました。
こういう部分を見ると、一気に現場のリアリティが増しますね。
どれだけ高性能なカメラを持っていても、人が撮影を続けられなければ意味がありません。
プロの「カバンの中身」は、撮影環境への備えまで含めて完成するのだと思います。
ソニーショップとして気になったのは「何を撮りたいか」から機材を選んでいること
今回の記事を読んで、あらためて感じたことがあります。
プロだから高価なカメラやレンズをたくさん持っている。
もちろん、それも事実です。
しかし、それ以上に印象的だったのは、
撮りたい写真が先にあり、そのために必要な機材を選んでいることです。
遠くの選手を撮るなら300mmや400mm。
急激に距離が変化するフィニッシュ周辺なら50-150mm F2。
誰も入れない場所から大胆な構図を狙うなら12-24mm。
表情を印象的に残したいなら50mm F1.2。
そして、写真をすぐ世界へ届けるためにPDT-FP1。
機材のスペックを見るだけでは分からなかった役割が、実際の撮影現場を見ることでかなり分かりやすくなります。
これは私たちが普段レンズを選ぶ場合にも参考になります。
「どのレンズが一番高性能か」ではなく、
どこから、何を、どんな状況で撮りたいのか。
まずそこから考えると、自分に必要な機材が見つけやすくなります。
まとめ|世界大会のカバンの中身から見えたαシステムの使われ方

今回は、ソニー公式noteで公開された「スポーツフォトグラファーのカバンの中身」をご紹介しました。
二人のフォトグラファーが共通して選んでいたのは、
- α1 II
- FE 50-150mm F2 GM
- PDT-FP1
の3製品でした。
特に興味深かったのは、カメラやレンズだけで完結していないことです。
決定的瞬間を撮る。
撮影データをすぐ送る。
離れた場所にいるエディターが編集する。
そして写真を世界へ届ける。
そこまで含めて、ひとつの撮影システムになっています。
先日ご紹介した「ゴール後わずか30秒で3DCG化|ソニーの技術が陸上中継の『見え方』を変えた」とあわせて見ると、WAアルティメット選手権大会でソニーの技術がどのように使われていたのか、さらに面白く見えてきます。
カメラ好きとしては、世界大会でプロが実際にどの機材を選び、どう使っているのか。
こういう「カバンの中身」は、やっぱり見ているだけでも楽しいですね。
ソニー株式会社|広報note
今回公開された「スポーツフォトグラファーのカバンの中身 ~WAアルティメット選手権大会の舞台裏から~」の詳細については、ソニー株式会社の広報noteをご確認ください。
この記事を書いた人

よしおくん
横浜のソニーショップ「ナカムラ電器」で、ソニー製品の販売と情報発信を担当しています。
カメラ・レンズ、Xperia、ブラビア、オーディオなどを実際に使い、ソニーショップとして販売する立場と、実際に製品を使うユーザーとして感じたことの両方から記事を執筆しています。
新製品の先行展示にも足を運び、スペックだけでは分からない使い心地や、購入前に知っておきたい情報をできるだけ分かりやすくお届けします。
TOPページに戻る
