mocopiが『器用貧乏』第2期の制作現場へ|3ds Max連携でアニメ制作を効率化
mocopiが『器用貧乏』第2期の制作現場へ|3ds Max連携でアニメ制作を効率化

こんにちは、よしおくんです。
mocopiが、私も第1期を見ていたTVアニメの制作現場で使われている。
このニュースを見て、ちょっと嬉しくなりました。
その作品が、TVアニメ『勇者パーティを追い出された器用貧乏』です。
第1期を見ていたので、第2期が制作されていること自体も楽しみなのですが、今回さらに気になったのが、その制作現場でソニーのモバイルモーションキャプチャー「mocopi」が活用されていることでした。
しかも、単なる実証実験ではありません。
制作を担当するスタジオ42では、現在制作中の第2期で、モブキャラクターやモンスターの動きなどにmocopiで収録したモーションを活用しています。
普段ソニー製品を紹介している私としては、
「あのmocopiが、自分が見ていたアニメの制作につながっているんだ」
と思うと、一気に身近なニュースに感じました。
そして調べてみると、今回の話はそれだけではありません。
ソニーは2026年9月10日、mocopi Receiver Plugin for 3ds Maxをオープンソースとして公開しました。
これによって、mocopiで収録したモーションを3ds Maxへリアルタイムで送り、Bipedで扱えるようになります。
今回は、第1期を見ていた私が気になった「mocopiがアニメ制作現場でどのように使われているのか」を中心に紹介します。
結論|mocopiが「撮る道具」から「アニメを作る道具」へ

今回のニュースを見て感じたのは、
mocopiの役割が、さらに広がっている
ということです。
mocopiといえば、小型センサーを身体に装着し、自分の動きを3Dキャラクターへ反映できるモーションキャプチャーというイメージがあります。
しかし今回公開された活用事例を見ると、実際のアニメ制作現場では、
- モブキャラクターの動きを作る
- モーション制作のベースを作る
- 若手スタッフの制作や教育に活用する
- レイアウト段階でキャラクターの動きを確認する
といった使われ方が考えられています。
つまり、
「モーションを収録する製品」から、アニメ制作のワークフローへ組み込めるツールへ。
そんな変化を感じる今回の事例でした。
第1期を見ていた作品だったから気になった

今回の活用事例で紹介されているのは、株式会社スタジオフォートゥー、通称スタジオ42です。
スタジオ42は、TVアニメ『勇者パーティを追い出された器用貧乏』のアニメーション制作を担当しており、現在は第2期を制作しています。
実は私も第1期を見ていました。
そのため、
「第2期を制作中」
というだけでも楽しみなのですが、そこでmocopiが使われていると知ったことで、さらに興味が湧きました。
普段はソニー製品として紹介しているmocopi。
その技術が、自分が楽しんで見ていた作品の制作現場へ入っている。
製品紹介の記事を書いているだけでは、なかなか実感できないつながりです。
第2期を見るときには、
「この動きにもmocopiが使われているのかな?」
と、少し違った視点でも作品を楽しんでしまいそうです。
『器用貧乏』第2期ではモブやモンスターにも活用
では、実際にmocopiはどのように使われているのでしょうか。
特に分かりやすかったのが、モブキャラクターやモンスターのモーションです。
アニメでは、主人公だけが動いているわけではありません。
画面の奥にも人がいる。
たくさんのモンスターが動く。
街の中を複数のキャラクターが歩いている。
そうしたシーンを作るためには、それぞれに動きを付ける必要があります。
しかし、すべてを一から手作業で作れば、当然かなりの時間が必要になります。
制作中の『勇者パーティを追い出された器用貧乏』第2期でも、モブキャラクターやモンスターの群れなど、画面内で動かす必要があるキャラクターが増えているそうです。
そこでmocopiで収録したモーションを使い、背景のキャラクターなどへ動きを加える活用が進められています。
これを知ると、個人的には第2期の背景にも注目して見たくなりました。
主人公だけでなく、その後ろにいるキャラクターがどう動いているのか。
そんなところにもmocopiが生かされているかもしれません。
「0から1」をmocopiで作れる
もうひとつ興味深かったのが、
モーション制作の「0から1」をmocopiで作る
という考え方です。
キャラクターの動きを何もない状態から作るには、経験が必要です。
一方で、mocopiを使って人間の動きを収録し、まずベースとなるモーションを作る。
その後、アニメに合うように修正していく。
こうすれば、比較的経験の浅いスタッフでも制作へ参加しやすくなります。
さらにスタジオ42では、mocopiを若手スタッフの教育にも活用したいとしています。
自分自身で身体を動かす。
その動きがキャラクターへ反映される。
すると、
「重心はどう動くのか」
「どこに力が入るのか」
といったことも理解しやすくなります。
単なる作業時間の短縮ではなく、アニメーターを育てる道具にもなり得るというところが面白いですね。
レイアウト段階でもmocopiを使う
さらに、完成するモーションを作るだけではありません。
mocopiは、アニメのレイアウトを考える段階でも活用できます。
たとえば、キャラクターが歩きながら会話するシーン。
この場合、
歩く速度。
セリフの長さ。
移動距離。
キャラクターの位置。
カメラアングル。
さまざまな要素を合わせる必要があります。
mocopiで実際に動きを収録して3ds Max上で確認すれば、カットの長さやキャラクターの配置を早い段階で検討できます。
これはかなり実用的な使い方だと思いました。
完成したものを確認するのではなく、
「この演出で本当に成立するのか」
を早い段階で試せるからです。
mocopiは制作を効率化するだけでなく、演出の選択肢を増やす道具としても期待されています。
その場で収録できるmocopiの強み
mocopiならではだと感じたのが、収録場所の自由度です。
今回紹介されているスタジオ42では、3DCGディレクターの室薗勇輝氏自身が、デスク周辺で空き時間を使ってモーションを収録しているそうです。
大がかりなモーションキャプチャースタジオへ移動するのではなく、
「必要になったら、その場で動きを撮る」
という使い方です。
これなら、
「この動きをちょっと確認したい」
と思ったときにも試しやすい。
mocopiの小型センサーだからこそできる使い方だと思います。
なぜ3ds Max用プラグインが重要なのか
ここで今回のニュースにつながります。
ソニーは2026年9月10日、mocopi Receiver Plugin for 3ds Maxをオープンソースとして公開しました。
このプラグインを利用すると、mocopiのモーションデータを3ds MaxのBipedへリアルタイムで送信できます。
さらに、BVH/FBX形式で保存されているmocopiのモーションをBIPファイルへ直接変換することもできます。
これまでは3ds Maxでmocopiを利用する場合、MotionBuilderを介する工程が必要でした。
そのため、変換や設定の手間、さらに別ソフトを用意するコストも導入のハードルになっていました。
新しいプラグインでは、その工程の一部を3ds Max側で完結できます。
つまり、
mocopi → MotionBuilder → 3ds Max
だった流れを、
mocopi → 3ds Max
へ近づけられるわけです。
制作現場からすれば、この違いはかなり大きそうです。
本番キャラクターをその場で動かせる
個人的にもうひとつ面白いと思った機能があります。
それが、
実際に制作で使うキャラクターを、その場で動かして確認できること。
mocopiアプリに用意されたアバターではなく、3ds Max内の制作キャラクターへモーションを反映できます。
これにより、キャラクターの体格や衣装による干渉、動かせる範囲、カメラから見た印象などを収録しながら確認できます。
XYNの記事では、『勇者パーティを追い出された器用貧乏』の主人公オルン・ドゥーラの3DCGモデルも紹介されています。
第1期を見ていた私には、ここもかなり印象に残りました。
普段画面越しに見ていたキャラクターが、こうした制作環境の中で作られている。
その裏側を少し見られたような感覚です。
プラグインはオープンソースで公開
mocopi Receiver Plugin for 3ds Maxは、GitHubでオープンソースとして公開されています。
ライセンスはApache License 2.0です。
公開されている主な機能は、
- mocopiからUDPでモーションをリアルタイム受信
- 3ds Max Bipedへの適用
- ライブプレビュー
- タイムラインへのモーション記録
- BIPファイルとして保存
- BVH/FBXからBIPへの変換
などです。
対応OSはWindows 10/11の64bit版。
3ds Maxについても複数バージョンへの対応が用意されています。
プラグインが公開されただけでなく、ソースコードまで公開されたことで、今後制作現場からどのような使い方が生まれてくるのかも気になります。
まとめ|第2期を見る楽しみがひとつ増えました

今回の記事を書こうと思ったきっかけは、とてもシンプルでした。
「第1期を見ていたアニメの第2期で、mocopiが使われている」
と知ったからです。
普段紹介しているソニーのmocopiが、実際のアニメ制作現場で使われている。
しかも、
モブキャラクターの動き。
モーション制作のベース。
若手スタッフの教育。
レイアウト段階での検証。
など、想像していた以上に幅広い活用が考えられていました。
そして今回、3ds Maxと直接連携しやすくするプラグインが公開されました。
大がかりな設備を使うモーションキャプチャーとは違い、
必要なときに、自分たちの制作環境ですぐ動きを作って試せる。
そこにmocopiならではの価値がありそうです。
私自身、『勇者パーティを追い出された器用貧乏』第2期を見る楽しみがひとつ増えました。
ストーリーを楽しむのはもちろんですが、
「このキャラクターの動き、もしかしてmocopiが生かされているのかな?」
そんなことも少し考えながら見てしまいそうです。
ソニーの技術が、私たちが普段楽しんでいる作品の裏側でどのように使われていくのか。
これからのmocopiの広がりにも注目したいと思います。
mocopiと3ds Maxについてよくある質問
Q.mocopiは『勇者パーティを追い出された器用貧乏』第2期で使われていますか?
はい。
制作を担当するスタジオ42では、制作中の第2期において、モブキャラクターやモンスターの群れなどへmocopiで収録したモーションを活用する取り組みが紹介されています。
Q.mocopiを3ds Maxへリアルタイムで送信できますか?
はい。
mocopi Receiver Plugin for 3ds Maxを利用すると、mocopiアプリから送られたモーションデータをリアルタイムで受信し、3ds MaxのBipedへ適用できます。
Q.MotionBuilderは必要ですか?
新しいプラグインでは、従来MotionBuilderを経由していたフォーマット変換やリターゲット設定などの工程を3ds Max側で行えるようになりました。
別ソフトを介する工程を減らせることが、制作効率やコスト面でのメリットとして紹介されています。
Q.mocopiはモーション制作以外にも使われていますか?
スタジオ42の活用事例では、モーション制作だけでなく、レイアウト段階での検証や若手スタッフの教育などへの活用も紹介されています。
ソニー公式情報はこちら
この記事を書いた人

よしおくん
横浜のソニーショップ「ナカムラ電器」で、ソニー製品の販売と情報発信を担当しています。
カメラ・レンズ、Xperia、オーディオ、テレビなどのソニー製品を実際に使い、ソニーショップとして販売する立場と、実際に製品を使うユーザーとして感じたことの両方から記事を執筆しています。
新製品の先行展示にも足を運び、スペックだけでは分からない使い心地や、購入前に知っておきたい情報をできるだけ分かりやすくお届けします。
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